広義の事業転換は、 事業オーナーの任意の判断に基づいて行う任意型と、 例えば倒産状況に追い込まれて、 やむなく行う強制型とに分類されます。
任意型も会社を存続させたままで別の事業への転換を図る会社継続型と、 会社自体を手放すか清算するかして資金を捻出し、 別の事業への転換を図る会社消滅型とに分類されます。
更に、 事業転換後の業態により、 賃貸不動産の所有による収益性の向上を目的とする不動産型と、 新規事業の開発を目的とする一般事業型とに分類できます。
本書では、 土地の有効活用と関連づけて、 任意型の内の一般事業型を除くパターンの事業転換を扱います。
(1)
任意型での事業転換後の業態を不動産型に限定し、 事業転換の実行のプロセスで分類すると、 次の二つのケースが考えられます。
(イ)
既存事業の縮小又は閉鎖による遊休地の創出とその土地の有効活用による不動産賃貸事業の経営
(ロ)
既存事業の縮小又は閉鎖による遊休地の創出とその土地の売却資金による新規不動産への買換による不動産賃貸事業の経営
遊休地を活用した不動産賃貸事業経営か、 又は遊休地を売却して、 売却資金で他の不動産への買換を行う賃貸事業経営かの選択は、 次のフローチャートで検討できます。
(2)
会社消滅型の事業転換
任意型で会社消滅型の事業転換は、 次のように分類されます。
(イ)
M&Aによる会社売却
(ロ)
会社清算による株主への残余財産分配
会社消滅型を選択するケースは下記のとおりです。
M&Aによる会社売却は、 会社ごと全株式を売却し、 株式数に応じて、 各株主が対価を取得します。 会社清算は、 清算手続として会社所有の財産を会社で売却し、 債務等弁済後の残余財産を株主に分配する方法です。
M&A型か会社清算型かの選択は次のフローチャートで検討できます。
M&Aによる会社売却は、 会社ごと全株式を売却し、 株式数に応じて、 各株主が対価を取得します。 会社清算は、 清算手続として会社所有の財産を会社で売却し、 債務等弁済後の残余財産を株主に分配する方法です。
M&A型か会社清算型かの選択は次のフローチャートで検討できます。
会社継続型の事業転換