(1)
ご所有の不動産について、売却可能価額の調査を行ないます。調査の目的は、下記の2点です。
(イ)
売却可能な価額を把握し、売却の意思決定を行なう。
(ロ)
売却に伴う資金収支、売却後の資金収支をシミュレーションし、売却の効果を検討する。
(2)
具体的方法
売却可能価額の調査方法として、不動産鑑定士等による鑑定評価と、実地市場調査があります。
鑑定評価には、不動産鑑定士の鑑定評価と、デューデリ会社等の評価査定、アセットマネジメント会社による評価査定があります。
不動産鑑定士による鑑定評価は、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3手法により求められた評価額を適宜按分、調整して鑑定評価額を算出します。
不動産鑑定士による鑑定評価額は、理論値ですので、現在のように、収益不動産の価格が刻々と変動している状況下にあっては、実際に売買可能な価額と乖離した評価額となる恐れがあります。
デューデリ会社等の評価査定は、建物の評価が中心となります。建築当時の工事見積書等を基に、工事単価、材料等を現在の工事単価、材料等に置き換えて、現在同程度の建物を新築した場合の工事価格(再調達価格)を算出します。不動産鑑定士が原価法で用いる建物の積算価格と比べて、精度の高い価額が算出できますので、PML値に基づく最大損害額を算出する場合等には非常に有効な算出方法ですが、土地と建物が一体となった場合の効用価額である売買可能価額の調査に用いるのは適しません。
アセットマネジメント会社による評価査定は、主に収益還元法に基づいて行なわれます。自社の組成するファンドが取得するとした場合の適正取得価額を算出します。アセットマネジメント会社が売却可能価額を算出する場合は、通常、買受人の探索をそのアセットマネジメント会社に依頼するのが前提となります。その場合、アセットマネジメント会社が算出した売却可能価額を上回る価格を提示する買受人が現れなかった場合は、そのアセットマネジメント会社の組成するファンドがその価額で買い取るのが一般的で、このような契約をアドバイザリー契約といいます。アセットマネジメント会社にとっては、自己が提示した金額で、競争もなく、自己のファンドが取得できるのが理想的ですので、買受人を探索して最高価格で売却することと、利益相反する面があるものと考えられます。
上記に対して、実地市場調査は、実際に当該不動産の購入意欲がある会社の中から、業種(ファンド、不動産会社、建設会社、不動産賃貸業をおこなっている事業会社等)ごとにサンプリングして、購入を前提とした場合の査定価額の提示を受ける方法により行ないます。
価額の査定をする側にとって、査定のためには相当の経費を要することになるため、売却の可能性が低い場合は、その旨を十分に対象会社に伝え、かつ、出来るだけ対象会社を絞り込むことが必要です。
売却の可能性が高い場合は、価額によっては、売却する旨を対象会社に伝えた上で、高価格を提示する可能性のある会社を厳選して査定を依頼します。
いずれの場合も機密の保持が最優先すべき事項となります。
売却を検討している事実が漏洩した場合、所有者にとって非常に不利益が発生します。
売却を決めていない段階であっても、物件が売り物件として一人歩きを始めます。色々な仲介会社等が売り物件として持ち歩き、有力な買い手には幾つもの仲介会社等が持ち込むような事態となります。このようにして、いわゆる「出回り物件」と化してしまった後では、どのような手を打っても事態を収束することは不可能となって、有利な売却など到底望めないことになります。有力な買い手ほど、そのような出回り物件には高値を提示しません。自分の提示した価格が正当に取り扱われる保証が全くないからです。
情報が、唯の一点から漏れただけでも、瞬く間に広まりますので、情報管理は徹底的に行なう必要があります。
査定段階においては、各対象会社から、口頭もしくは投資検討書、価格検討書等の形で価格提示を受けるようにします。売却段階ではないことをお互いに確認してトラブルを未然に防ぎます。
鑑定評価には、不動産鑑定士の鑑定評価と、デューデリ会社等の評価査定、アセットマネジメント会社による評価査定があります。
不動産鑑定士による鑑定評価は、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3手法により求められた評価額を適宜按分、調整して鑑定評価額を算出します。
不動産鑑定士による鑑定評価額は、理論値ですので、現在のように、収益不動産の価格が刻々と変動している状況下にあっては、実際に売買可能な価額と乖離した評価額となる恐れがあります。
デューデリ会社等の評価査定は、建物の評価が中心となります。建築当時の工事見積書等を基に、工事単価、材料等を現在の工事単価、材料等に置き換えて、現在同程度の建物を新築した場合の工事価格(再調達価格)を算出します。不動産鑑定士が原価法で用いる建物の積算価格と比べて、精度の高い価額が算出できますので、PML値に基づく最大損害額を算出する場合等には非常に有効な算出方法ですが、土地と建物が一体となった場合の効用価額である売買可能価額の調査に用いるのは適しません。
アセットマネジメント会社による評価査定は、主に収益還元法に基づいて行なわれます。自社の組成するファンドが取得するとした場合の適正取得価額を算出します。アセットマネジメント会社が売却可能価額を算出する場合は、通常、買受人の探索をそのアセットマネジメント会社に依頼するのが前提となります。その場合、アセットマネジメント会社が算出した売却可能価額を上回る価格を提示する買受人が現れなかった場合は、そのアセットマネジメント会社の組成するファンドがその価額で買い取るのが一般的で、このような契約をアドバイザリー契約といいます。アセットマネジメント会社にとっては、自己が提示した金額で、競争もなく、自己のファンドが取得できるのが理想的ですので、買受人を探索して最高価格で売却することと、利益相反する面があるものと考えられます。
上記に対して、実地市場調査は、実際に当該不動産の購入意欲がある会社の中から、業種(ファンド、不動産会社、建設会社、不動産賃貸業をおこなっている事業会社等)ごとにサンプリングして、購入を前提とした場合の査定価額の提示を受ける方法により行ないます。
価額の査定をする側にとって、査定のためには相当の経費を要することになるため、売却の可能性が低い場合は、その旨を十分に対象会社に伝え、かつ、出来るだけ対象会社を絞り込むことが必要です。
売却の可能性が高い場合は、価額によっては、売却する旨を対象会社に伝えた上で、高価格を提示する可能性のある会社を厳選して査定を依頼します。
いずれの場合も機密の保持が最優先すべき事項となります。
売却を検討している事実が漏洩した場合、所有者にとって非常に不利益が発生します。
売却を決めていない段階であっても、物件が売り物件として一人歩きを始めます。色々な仲介会社等が売り物件として持ち歩き、有力な買い手には幾つもの仲介会社等が持ち込むような事態となります。このようにして、いわゆる「出回り物件」と化してしまった後では、どのような手を打っても事態を収束することは不可能となって、有利な売却など到底望めないことになります。有力な買い手ほど、そのような出回り物件には高値を提示しません。自分の提示した価格が正当に取り扱われる保証が全くないからです。
情報が、唯の一点から漏れただけでも、瞬く間に広まりますので、情報管理は徹底的に行なう必要があります。
査定段階においては、各対象会社から、口頭もしくは投資検討書、価格検討書等の形で価格提示を受けるようにします。売却段階ではないことをお互いに確認してトラブルを未然に防ぎます。
調査の目的