しかし、 もしも失敗すれば多額の投資をしているため、 やり直しのできない大変に深刻な結果を招きます。
賃貸建物建築の失敗のケースをパターン化しますと以下のとおりです。
(1)
(イ)
当初予定していた家賃収入が入らない。
事前の十分な市場調査をしないまま建築を行いますと、 入居の稼働率が低く、 当初100%満室の稼働率で設定していた家賃収入に達せず、 大幅に資金計画等が狂ってしまうケースが見受けられます。
(ロ)
当初予定よりも経費が多くかかり、 経費差引後の純収入が予定よりも少ない。
事前の経費見積りが甘く、 このため稼働してから、 予定よりも多くの経費がかかり、 純収入が少なくなり、 資金計画などが狂うケースが見られます。
(ハ)
全額借入金で資金調達をして、 建物を建築するケースで、 当初思っていたほどの収益や資金収支の改善の効果がない。
当初の予定では、 十分な資金収支予測を行っていなかったため、 実際に稼働し、 借入金の返済が始まると収益や資金収支の改善がほとんどないケースが見られます。
収益や資金収支の改善が差し迫った重大な課題で、 有効活用可能土地が限られている場合に、 このような収益や資金収支の改善効果のない建築を行いますと、 非常に重大な問題を招くこととなります。
このケースは他の有効活用の方法を十分に検討せず、 建物建築のみを有効活用方法として、 計画をすすめた場合に起きる失敗です。
収益や資金収支の改善が差し迫った重大な課題で、 有効活用可能土地が限られている場合に、 このような収益や資金収支の改善効果のない建築を行いますと、 非常に重大な問題を招くこととなります。
このケースは他の有効活用の方法を十分に検討せず、 建物建築のみを有効活用方法として、 計画をすすめた場合に起きる失敗です。
(ニ)
相続税軽減効果を狙って建築を行ったが、全体の財産にかかる相続税と比較して、 軽減効果が小さすぎる。
相続財産全体の相続税の課税価格と相続税と較べて、 建物建築によって得られた相続税軽減効果が小さすぎるため、 相続税を軽減し相続税を納税できる金額にまで圧縮するという目的を達せられないケースが見られます。 この失敗は、 建物建築による相続税の効果を、相続財産の全体の中で十分にシミュレーション (予想計算) を行っていないために起きます。 相続税軽減の効果の観点からは、 どのくらいの規模のどのような建物が良いかを十分に検討しないことで起きる失敗です。
(2)
成功のポイント
(1)のような失敗をしないためのポイントは以下のとおりです。
(イ)
相続税軽減と収益性、 資金収支改善のシミュレーション (予想計算) について、 いくつものケースを設定して行う。
(ロ)
短期・中期の資金収支 (キャッシュフロー) を十分に予測・検討し、 その安全性を維持できる計画を実行する。
(ハ)
土地の立地調査を十分に行い、 建物建築がベストの選択かどうかの検討から行い、 建物建築を行うとしたらどのような目的・用途のどのような構造の建築物が市場にもっとも適合しているかを検討する。
(ニ)
上記(イ)~(ハ)の検討結果を十分に反映させて、 正確な建築コストの予想と収入・経費の見積りを行って建築企画案を作成し、 その十分な検討を行う。
(ホ)
(ニ)の建築企画案をもとに、 最適な請負業者の選定を行うための手順 (下記2で詳述) を踏む。
(ヘ)
建物管理を十分に行う。
失敗のパターン