(1)
メリット
(イ)
オーナーのメリット
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流動性の乏しい自社株を換金可能な公開株に換えることにより、創業者利潤を実現することができます。
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流動性の高さという付加価値が付与されることで、保有株式の資産価値・担保価値が向上します。
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新規公開時に認められる株式売却益課税の軽減特例や非公開株よりも低い譲渡所得税率などの税制上のメリットを享受することができます。
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換金可能な財産となることで、相続税の納税資金対策としても有効です。
(ロ)
会社のメリット
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証券市場から直接多額の資金調達をする道が開けます。
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金融機関に対する信用力も向上するため、より有利な条件で借入をすることができます。
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会社の知名度が上がり、社会的信用が向上します。
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オーナーのワンマン経営から近代的な組織的経営へと移行し、会社運営の安定性が増します。
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会社の知名度が上がることで、既存社員の士気が高まります。
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ストックオプションの手法を活用すれば、優秀な人材を確保し易くなります。
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従業員持株会を設立すれば、安定株主作りと福利厚生としての従業員の資産形成を同時に実現することができます。
(2)
デメリット
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上場するための準備作業自体に、多大な人的・経済的エネルギーを要します。
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外部株主が増えるため、オーナー社長の一存による意思決定ができなくなる可能性があります。
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株式が市場に流通することで、株式買占めや投機取引に巻き込まれる可能性が生じます。
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証券取引法その他の法令で公開会社に義務付けられる諸手続やIR活動のための事務作業や費用負担が増加します。