悪意の株主による担保提供
株主代表訴訟マニュアル
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悪意の株主による担保提供
株主代表訴訟を提訴された被告取締役は、原告株主に対して、どのような場合に担保の提供を求めることができるか。
株主から株主代表訴訟を提起された被告取締役は、裁判所に対し、訴えの提起が悪意に出たものであることを疎明し、原告株主に相当の担保の提供を命ずるよう申し立てることができます(会社法847条の4第2項)。
この規定は、濫訴を防止することを目的としており、提供された担保は、被告取締役の原告株主に対する不当訴訟による損害賠償請求権の担保とされるものです。
ここにいう株主の「悪意」は、不当な目的による場合のほか、被告に対する損害賠償請求に理由がないことを原告が知って訴えを提起した場合にも認められるとされています。
株主から株主代表訴訟を提起された被告取締役は、裁判所に対し、訴えの提起が悪意に出たものであることを疎明し、原告株主に相当の担保の提供を命ずるよう申し立てることができます(会社法847条の4第2項)。
この規定は、濫訴を防止することを目的としており、提供された担保は、被告取締役の原告株主に対する不当訴訟による損害賠償請求権の担保とされるものです。
ここにいう株主の「悪意」は、不当な目的による場合のほか、被告に対する損害賠償請求に理由がないことを原告が知って訴えを提起した場合にも認められるとされています。
目次
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1制度の概要
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2平成26年改正会社法の制定と株主代表訴訟
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3株主代表訴訟の対象となる取締役の責任の範囲
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4取締役の責任-法令・定款違反
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5取締役の責任-善管注意義務・忠実義務違反
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6取締役の責任-競業取引
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7取締役の責任-利益相反取引
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8取締役の責任-監視義務違反
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9取締役の責任-株主の権利行使に関する利益供与に係る責任
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10取締役の責任-違法な剰余金分配等
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11取締役の責任-責任を負う者の範囲
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12取締役の責任-責任の免除・軽減、消滅
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13株主代表訴訟制度の濫用への対策
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14提訴前の手続要件
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15管轄裁判所
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16悪意の株主による担保提供
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17株主代表訴訟の原告適格
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18会社、株主への訴訟告知
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19株主、会社による訴訟参加
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20株主代表訴訟と訴訟上の和解
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21株主代表訴訟の判決の効果