第1編
会社分割の法律実務
第3
5
会社分割の登記
(1)
新設分割による登記
新設分割では、分割会社では変更の登記をし、新設分割設立会社では設立の登記をすることになります(会社法924条)。
新設分割では、分割会社では変更の登記をし、新設分割設立会社では設立の登記をすることになります(会社法924条)。
(イ)
新設分割設立会社の登記
(a)
登記の事由
平成○年○月○日新設分割による設立手続終了
平成○年○月○日新設分割による設立手続終了
(b)
登記すべき事項1)会社設立時の登記事項(目的、商号など会社法911条3項記載の事項)2)分割をした旨3)分割会社の商号4)分割会社の本店
(c)
課税標準金額
原則として設立会社の資本金の額
原則として設立会社の資本金の額
(d)
登録免許税
原則として資本金の額に1000分の1.5を乗じた額(この額が3万円に満たない場合は3万円)
原則として資本金の額に1000分の1.5を乗じた額(この額が3万円に満たない場合は3万円)
(e)
添付書類
1)
新設分割計画書
2)
株主総会議事録
3)
債権者に対する異議申述の公告及び催告をしたことを証する書面
4)
異議を述べた債権者があるときは、その者に弁済、担保の提供、または信託会社に信託したことを証する書面
5)
官報の他に定款の規定した公告方法によって公告した場合には、格別の催告書に代えてその公告をしたことを証する書面
6)
会社分割をしても異義をのべた債権者を害するおそれが無い場合には、その債権者を害するおそれがないことを証する書面
7)
新設分割会社が新株予約権に係る新株予約権証券を発行している場合には、新株予約権証券提出公告をしたことを証する書面(新株予約権証券を発行していない場合は、新株予約権証券を発行していないことを証する書面)
8)
新設分割会社の登記事項証明書(新設分割会社の本店所在地を管轄する登記所が同一でない場合)
9)
資本の額が会社法の規定によって計上されたことを証する書面
10)
簡易分割の場合は簡易分割の要件を満たすことを証する書面
11)
委任状(代理人による申請の場合)
12)
定款
13)
設立時代表取締役の選定を証する書面
14)
設立時取締役、監査役の就任承諾書
15)
設立時取締役の印鑑証明書(取締役会設置会社は代表取締役のもの)
(f)
登記申請期間
次に定める日のいずれか遅い日から2週間以内に、本店所在地において申請します。
次に定める日のいずれか遅い日から2週間以内に、本店所在地において申請します。
1)
新設分割計画承認の株主総会決議の日
2)
新設分割をするために種類株主総会の決議を必要とする場合は、その決議の日
3)
反対株主の買取請求があった場合その反対株主に対する通知または公告をした日から20日を経過した日
4)
新株予約権の買取請求があった場合その新株予約権者に対する通知または公告をした日から20日を経過した日
5)
債権者保護手続きが終了した日
6)
2以上の株式会社が共同して新設分割を行うときはその2以上の株式会社が合意によって定めた日
(ロ)
(a)
登記の事由
新設分割による変更
新設分割による変更
(b)
登記すべき事項
1)
分割をした旨
2)
新設会社の商号
3)
新設会社の本店
(c)
登録免許税
申請1件について3万円
申請1件について3万円
(d)
添付書類
1)
委任状(代理人による申請の場合)
2)
印鑑証明書(分割会社の代表取締役のもの)
(e)
登記申請期間
分割会社における新設分割による変更登記申請は、新設分割設立会社の本店所在地と分割会社の本店所在地が異なる管轄の登記所である場合は、新設分割設立会社の本店所在地を管轄する登記所を経由して登記しなければなりません。そして、この変更登記と新設分割設立会社の設立登記は同時申請しなければなりません。
そのため、分割会社の登記申請期間は、新設分割設立会社の登記申請期間(上記(イ)の(f))に定める日のいずれか遅い日から2週間以内に行うことになります。
分割会社における新設分割による変更登記申請は、新設分割設立会社の本店所在地と分割会社の本店所在地が異なる管轄の登記所である場合は、新設分割設立会社の本店所在地を管轄する登記所を経由して登記しなければなりません。そして、この変更登記と新設分割設立会社の設立登記は同時申請しなければなりません。
そのため、分割会社の登記申請期間は、新設分割設立会社の登記申請期間(上記(イ)の(f))に定める日のいずれか遅い日から2週間以内に行うことになります。
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