離婚のQ&A6|国際結婚の離婚1
(8)
(イ)
準拠法及び手続
Q:
外国人の妻と離婚しようと考えています。国際離婚にはどの国の法律が適用されるのでしょうか。また、日本の法律が適用される場合には、日本の規定に従って協議離婚した場合には、外国にも離婚の効力が及ぶのでしょうか?
A:
1.
適用される法律について(準拠法)
国際離婚によってどの国の法律が適用されるかについては、法律で定められており、夫婦の各々の国の法律(本国法)が同一である場合には、その法律が適用されます。
夫婦の本国法が異なる場合には、夫婦が相当長期間生活している場所の国の法律(常居所地法)が適用されます。日本に常居所があると認められるか否かは、日本人及び日本人と結婚している外国人の両者共、1年以上日本に居住している場合に認められます。
常居所地法もない場合には、原則として夫婦に密接に関連する国の法律(密接関連法)が適用されますが、例外として夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人である場合には、日本の法律が適用されます。
国際離婚によってどの国の法律が適用されるかについては、法律で定められており、夫婦の各々の国の法律(本国法)が同一である場合には、その法律が適用されます。
夫婦の本国法が異なる場合には、夫婦が相当長期間生活している場所の国の法律(常居所地法)が適用されます。日本に常居所があると認められるか否かは、日本人及び日本人と結婚している外国人の両者共、1年以上日本に居住している場合に認められます。
常居所地法もない場合には、原則として夫婦に密接に関連する国の法律(密接関連法)が適用されますが、例外として夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人である場合には、日本の法律が適用されます。
2.
準拠法が日本法である場合に、外国にも当然に効力は及ぶのかについて
準拠法が日本法である場合で、相手方の外国法において日本の法律に従って離婚ができると規定されている場合には、その外国においても離婚の効力を生じさせることは可能であります。
しかし、外国法によっては、協議離婚そのものを認めていないもの、日本の手続きによる協議離婚の効力を認めていないものもあるため、日本法の手続きによる離婚の効力を外国にも及ぼしたいと考えている場合には、各々国の大使館等に調査をする必要があります。
準拠法が日本法である場合で、相手方の外国法において日本の法律に従って離婚ができると規定されている場合には、その外国においても離婚の効力を生じさせることは可能であります。
しかし、外国法によっては、協議離婚そのものを認めていないもの、日本の手続きによる協議離婚の効力を認めていないものもあるため、日本法の手続きによる離婚の効力を外国にも及ぼしたいと考えている場合には、各々国の大使館等に調査をする必要があります。
(ロ)
管轄裁判所
Q:
外国人の妻と裁判所で離婚することはできるのでしょうか?
A:
1.
協議離婚が整わない場合の手続き
離婚の手続きにおいて適用される法律(準拠法)が日本法である場合において、協議離婚が整わない場合には、調停前置主義より、まず調停を申立て、調停がまとまらなかった場合には訴訟を提起することになります。
もっとも、一方配偶者の国が調停離婚を認めない場合には、はじめから訴訟を提起することが可能と考えられています。
離婚の手続きにおいて適用される法律(準拠法)が日本法である場合において、協議離婚が整わない場合には、調停前置主義より、まず調停を申立て、調停がまとまらなかった場合には訴訟を提起することになります。
もっとも、一方配偶者の国が調停離婚を認めない場合には、はじめから訴訟を提起することが可能と考えられています。
2.
裁判所の管轄について
離婚の調停・訴訟を起こす夫婦双方が日本に居住している場合には、日本の裁判所に調停・訴訟を起こして問題はありません。すなわち、日本の裁判所に管轄は認められます。
一方、訴えられる方(被告)が、外国にいる場合には、日本の裁判所に原則として管轄は認められません。もっとも、例外として、原告が日本に居住していて、原告が遺棄された場合、被告の行方不明である場合、その他これに準ずる場合においては日本の裁判所に管轄が認められます。そして、かかる場合には、調停前置主義の例外として、はじめから訴訟を提起することができると考えられています。
離婚の調停・訴訟を起こす夫婦双方が日本に居住している場合には、日本の裁判所に調停・訴訟を起こして問題はありません。すなわち、日本の裁判所に管轄は認められます。
一方、訴えられる方(被告)が、外国にいる場合には、日本の裁判所に原則として管轄は認められません。もっとも、例外として、原告が日本に居住していて、原告が遺棄された場合、被告の行方不明である場合、その他これに準ずる場合においては日本の裁判所に管轄が認められます。そして、かかる場合には、調停前置主義の例外として、はじめから訴訟を提起することができると考えられています。
(ハ)
外国裁判所の効力
Q:
外国人の妻との離婚及び慰謝料の額が外国の裁判所で認められてしまいました、その効力は日本にも及ぶのでしょうか?
A:
1.
日本への効力について
外国裁判所の離婚判決が以下の要件をすべて充たす場合には日本にもその効力が及びます。
外国裁判所の離婚判決が以下の要件をすべて充たす場合には日本にもその効力が及びます。
(1)
法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること
(2)
敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと
(3)
判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと
(4)
相互の保障があること
(1)は、判決をした外国裁判所に国際裁判管轄があるということです。
(4)は、判決をした外国で日本の判決の効力を認めている場合でなければ、その外国の判決の効力を日本でも認めないというものです。
(4)は、判決をした外国で日本の判決の効力を認めている場合でなければ、その外国の判決の効力を日本でも認めないというものです。
2.
効力が及ぶ場合について
戸籍については、外国離婚判決が日本に効力が及ぶ場合には届出は受理されます。外国離婚判決の効力が日本に及ばないのにも関わらず届出が受理されてしまった場合には、外国判決無効確認の訴え等を提起することが必要となります。
慰謝料の請求等については、外国判決の効力が日本に及ぶ場合であっても、日本の裁判所の執行判決を得なければ強制執行をすることはできません。もっとも、外国判決の内容の当否を判断することなく、外国判決が確定したこと及びその判決が日本に効力を及ぼすことが認められた時は、執行判決がなされます。
戸籍については、外国離婚判決が日本に効力が及ぶ場合には届出は受理されます。外国離婚判決の効力が日本に及ばないのにも関わらず届出が受理されてしまった場合には、外国判決無効確認の訴え等を提起することが必要となります。
慰謝料の請求等については、外国判決の効力が日本に及ぶ場合であっても、日本の裁判所の執行判決を得なければ強制執行をすることはできません。もっとも、外国判決の内容の当否を判断することなく、外国判決が確定したこと及びその判決が日本に効力を及ぼすことが認められた時は、執行判決がなされます。
(ニ)
在留資格
Q:
日本人の夫と離婚した後も日本で生活することができるのでしょうか、すなわち在留資格は認められるのでしょうか?
A:
1.
離婚後の在留資格について
日本人と婚姻をした外国人には、日本人の配偶者等としての在留資格が認められます。そして、この在留資格は、日本人の配偶者であることによって認められるものであるため、離婚した後には、日本人の配偶者等としての在留資格は認められないことになり、別の在留資格を取得しない限り、日本に在留することができなくなります。
もっとも、離婚が成立したとしても、直ちに在留資格を失うものではなく、在留期間が満了するまでは、日本に在留することはできます。ただ、更新ができないことになるのです。
日本人と婚姻をした外国人には、日本人の配偶者等としての在留資格が認められます。そして、この在留資格は、日本人の配偶者であることによって認められるものであるため、離婚した後には、日本人の配偶者等としての在留資格は認められないことになり、別の在留資格を取得しない限り、日本に在留することができなくなります。
もっとも、離婚が成立したとしても、直ちに在留資格を失うものではなく、在留期間が満了するまでは、日本に在留することはできます。ただ、更新ができないことになるのです。
2.
定住者としての在留資格の取得
配偶者等としての在留資格を喪失した場合には、定住者としての在留資格を取得する必要があります。定住者として認められるか否かは、離婚の事情、婚姻期間の長さ、仕事、経済的状況等を総合考慮して判断されます。
法務省入国管理局通達により、日本人の実子(日本人であることを要しません。)を持ち、その実子の親権者であり、かつ、その子を現実に監護教育する外国人は定住者として認められます。
配偶者等としての在留資格を喪失した場合には、定住者としての在留資格を取得する必要があります。定住者として認められるか否かは、離婚の事情、婚姻期間の長さ、仕事、経済的状況等を総合考慮して判断されます。
法務省入国管理局通達により、日本人の実子(日本人であることを要しません。)を持ち、その実子の親権者であり、かつ、その子を現実に監護教育する外国人は定住者として認められます。
3.
調停中・裁判中の更新について
離婚の調停・裁判が行われていたとしても、日本人の配偶者であることには変わりがないため、原則として在留期間の更新をすることができます。
離婚の調停・裁判が行われていたとしても、日本人の配偶者であることには変わりがないため、原則として在留期間の更新をすることができます。
国際結婚の離婚