建物賃貸借契約の終了6

貸地・貸家明け渡しガイド

貸地・貸家明け渡しの疑問を解決するQ&Aをご紹介します。このページでは、建物賃貸借契約の終了に関する質問を集めました。ぜひ参考にしてください。

建物賃貸借契約の終了

(6)

その他の問題

Q:
私は、アパートの一室を賃借しています。そのアパートは、不動産業者が所有者から一括してすべての部屋について借り受け、私はその不動産業者から賃借するという形式になっています。ところで、先日そのアパートの所有者から通知があり、その通知には「不動産業者が家賃を支払っていないので不動産業者との賃貸借契約を解除した。従って、建物の明け渡しを請求する。」という内容のものでした。私は、不動産業者に対して、家賃を支払っていたのですが、私はアパートを明け渡す義務があるのでしょうか?
A:
1
一般的な考え方
本件における賃貸借契約をめぐる法律関係については、アパートの所有者が不動産業者に賃貸し、不動産業者があなたに対してアパートを転貸しているという法律関係になっています。
この場合、あなたの賃借権は、不動産業者のもっていた賃借権を前提として成立していることになります。
そうすると、アパートの所有者が不動産業者との賃貸借契約を解除した以上、不動産業者の賃借権は消滅し、その結果、あなたと不動産業者の間の賃貸借契約も自動的に終了することになります。
従って、あなたはアパートを明け渡す義務があるという考え方が一般的です。
2
その他の考え方
もっとも、建物の所有者からあなたのような転借人に対して、賃貸借契約の解除の際に、事前に弁済の機会を与えていない場合には、建物の所有者は公平の観点から転借人に対して、建物の明け渡しを請求することができないという考えもあります。
また、仮に、建物の所有者が不動産業者との賃貸借契約を解除したとしても以後は建物の所有者と転借人との間で直接賃貸借関係が生じるという考えもあります。
従って、あなたに明け渡し義務が生じないとする余地もあるでしょう。

Q:
私は、賃貸借期間を2年間として、アパートを賃借しています。しかし、まだ1年間ほど賃貸借期間が残っているのですが、3ヶ月後に転勤することになりました。私は、賃貸借契約を3ヶ月後に終了させることができるのでしょうか?
A:
1
賃貸借契約において借主の中途解約権が認められている場合
この場合には、あなたは解約権を行使して賃貸借契約を途中で終了させることができます。
具体的には、賃貸人に対して解約権の行使により賃貸借契約を終了させる旨の意思を表明する必要があります。
2
賃貸借契約において借主の中途解約権が認められていない場合
この場合には、賃貸人の合意がない限り、一方的に賃貸借契約を終了させることは難しいでしょう。
もっとも不動産業界における慣行として、借主に中途解約権が認められていないとしても、貸主に契約を終了させたい旨を2~3か月前に伝えれば、貸主との合意により賃貸借契約を終了させることができる場合も多いようです。

Q:
私はアパートを賃貸しているのですが、賃借人が破産してしまいました。この場合、賃貸借契約を終了させることは法律上可能でしょうか?
A:
賃借人に賃料の不払いがあれば、債務不履行に基づく解除により賃貸借契約を解除することができるでしょう。
一方、賃借人が賃料を支払っていたけれども破産した場合には、賃貸人は破産管財人に対して、一定の期間を定めて、その期間内に契約を解除するか、または契約を継続するのかを催告することになります。この場合に、破産管財人から一定の期間内に返答がない場合には、契約が解除されたものとみなされることになります。
もっとも、建物賃貸借について賃借人が個人の場合には居住保護の必要性から、破産者は破産財団に対して賃料に相当する額を払えば居住し続けることを認めてもよいとする見解もあります。

Q:
私はアパートを経営しているのですが、数ヶ月間家賃の滞った賃借人が夜逃げをして行方不明となってしまいました。私は、アパート内の荷物を処分して、次の賃借人にアパートを貸すことはできますか?
A:
まず、アパート内に入り賃借人の荷物を処分することはできません。
なぜならば、個人個人が法律によることなく権利を強制的に実現することは、法秩序が混乱するため認められていません(自力救済の禁止)。
また、後々になって、その賃借人から高価なものが紛失したなどと言いがかりをつけられ、紛争に巻き込まれる恐れがあるからです。
そこで、あなたとしては、弁護士の協力を仰ぎ、裁判手続きを経てアパート内の荷物を処分し、部屋を別の人物に貸す方法が最もよいでしょう。
具体的には、 (1)裁判手続きにおいて、賃貸借契約を解除し、アパートの明け渡しの判決を取得します。 (2)次にその判決に基づいて、執行官(裁判所に配属されて、裁判の執行を担当する国家公務員)がアパートに出向き明け渡しの手続きをする 、という流れになるでしょう。
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