第3
5
特定調停の調停成立の効果
(1)
特定調停の成立
紛争に関して、当事者間の話合いがまとまると、その内容の調停調書が作成されます。この調書には、原則として、後から不服を唱えることはできません。この調書には、確定した判決と同様の効力があり、当事者の一方が、調停の内容に従わない場合には、その内容を実現するため、強制執行を申立てることができます。
強制執行とは、一定の義務を負っている者がその義務に従わない場合に、国の権力によって強制的にその義務を実現させるための制度のことをいいます。
(2)
調停調書
調停調書は、裁判所に調停調書交付の請求書を提出することにより受け取ることができます。調停調書交付の請求書の記載方法等については、紛争の担当の裁判所書記官に相談して下さい。
6
特定調停の調停委員とは
特定調停は、民事調停の特例であるため、特定調停の調停委員も、基本的には民事調停委員と同様の人達になります。したがって、専門的知識経験を有している者として、弁護士、大学の教授、元公務員等が、豊富な社会生活経験を有している者として、定年後のサラリーマン、主婦等が調停委員として選任されています。
さらに、特定調停においては、特定調停は借金整理に関する事件が対象であるため、この観点から、税務・金融の専門家等が調停委員として選任されます。
7
特定調停の第三者の参加
(1)
関係権利者の参加
(イ)
法律上の規定
特定調停に関する法律は、「特定調停の結果について利害関係を有する関係権利者が特定調停手続に参加する場合には、民事調停法11条1項の規定にかかわらず、調停委員会の許可を受けることを要しない。」と規定されています。
すなわち、進行中の特定調停の結果について利害関係を有する関係権利者であれば、調停委員会の許可なく、特定調停に参加することができます。
特定調停に関する法律は、「特定調停の結果について利害関係を有する関係権利者が特定調停手続に参加する場合には、民事調停法11条1項の規定にかかわらず、調停委員会の許可を受けることを要しない。」と規定されています。
すなわち、進行中の特定調停の結果について利害関係を有する関係権利者であれば、調停委員会の許可なく、特定調停に参加することができます。
(ロ)
「関係権利者」
特定調停に関する法律は、「『関係権利者』とは、特定債務者に対して財産上の請求権を有する者及び特定債務者の財産の上に担保権を有する者をいう。」と規定しています。
したがって、特定調停の当事者ではないが、特定調停の債務者に対して債権を有している債権者のうち特定調停の結果について利害関係を有している者は、特定調停に調停委員会の許可なく参加することができます。
特定調停に関する法律は、「『関係権利者』とは、特定債務者に対して財産上の請求権を有する者及び特定債務者の財産の上に担保権を有する者をいう。」と規定しています。
したがって、特定調停の当事者ではないが、特定調停の債務者に対して債権を有している債権者のうち特定調停の結果について利害関係を有している者は、特定調停に調停委員会の許可なく参加することができます。
(2)
利害関係人の参加
(イ)
法律上の規定
特定調停に関する法律は、「特定調停の結果について利害関係を有する関係権利者が特定調停手続に参加する場合には、民事調停法11条1項の規定にかかわらず、調停委員会の許可を受けることを要しない。」と規定し、「関係権利者」以外の者が、特定調停に参加する場合については規定していません。
もっとも、上記規定は、民事調停法11条1項の「関係権利者」に関する特別規定です。
したがって、民事調停法11条1項の規定に依ることにより、「関係権利者」以外の者も、特定調停に参加することができます。
特定調停に関する法律は、「特定調停の結果について利害関係を有する関係権利者が特定調停手続に参加する場合には、民事調停法11条1項の規定にかかわらず、調停委員会の許可を受けることを要しない。」と規定し、「関係権利者」以外の者が、特定調停に参加する場合については規定していません。
もっとも、上記規定は、民事調停法11条1項の「関係権利者」に関する特別規定です。
したがって、民事調停法11条1項の規定に依ることにより、「関係権利者」以外の者も、特定調停に参加することができます。
(ロ)
民事調停法11条1項
民事調停法は、「調停の結果について利害関係を有する者は、調停委員会の許可を受けて、調停手続に参加することができる。」と規定しています(民事調停法11条1項)。
したがって、特定調停の結果に利害関係を有している者であれば、調停委員会の許可を受けて、特定調停に参加することができます。
民事調停法は、「調停の結果について利害関係を有する者は、調停委員会の許可を受けて、調停手続に参加することができる。」と規定しています(民事調停法11条1項)。
したがって、特定調停の結果に利害関係を有している者であれば、調停委員会の許可を受けて、特定調停に参加することができます。
8
特定調停の罰則等
(1)
当事者の責務
特定調停に関する法律は、「特定調停においては、当事者は、調停委員会に対し、債権又は債務の発生原因及び内容、弁済等による債権又は債務の内容の変更および担保関係の変更等に関する事実を明らかにしなければならない」と規定しています。したがって、特定調停の当事者は、債務者・債権者を問わず、特定調停に関する事実を明らかにしなければなりません。
もっとも、上記規定は特定調停の当事者に対する訓示的な規定であり、この規定に違反したとしても罰則等は科せられません。
(2)
文書の提出に応じなかった場合
(イ)
文書等の提出
特定調停に関する法律は、「調停委員会は、特定調停のために特に必要があると認めるときは、当事者又は参加人に対し、事件に関係のある文書又は物件の提出を求めることができる。」と規定しています。
特定調停に関する法律は、「調停委員会は、特定調停のために特に必要があると認めるときは、当事者又は参加人に対し、事件に関係のある文書又は物件の提出を求めることができる。」と規定しています。
(ロ)
文書等の不提出に対する制裁
特定調停に関する法律は、「当事者又は参加人が正当な理由なく、調停委員会からの文書又は物件の提出の要求に応じないときは、裁判所は、10万円以下の過料に処する。」と規定しています。
したがって、特定調停において、調停委員会より文書又は物件の提出を求められたにもかかわらず、その要求に応じなかった場合には、裁判所より10万円以下の過料に処せられるおそれがあります。
特定調停に関する法律は、「当事者又は参加人が正当な理由なく、調停委員会からの文書又は物件の提出の要求に応じないときは、裁判所は、10万円以下の過料に処する。」と規定しています。
したがって、特定調停において、調停委員会より文書又は物件の提出を求められたにもかかわらず、その要求に応じなかった場合には、裁判所より10万円以下の過料に処せられるおそれがあります。
特定調停